年末調整における「所得金額」とは
年末調整で適用される控除において、様々な要件に所得金額という言葉が出てきます。
年末調整では給与所得に対する源泉徴収税額を算出するわけですが、判定要件で使用される所得は給与所得だけではありません。
合計所得金額
最もよく目にする言葉が合計所得金額です。
合計所得金額は令和6年の定額減税でも判定要件として用いられており、下記のように定義されています。
「合計所得金額」とは、次の⑴と⑵の合計額に、退職所得金額(注1)、山林所得金額を加算した金額(注2)です。
- 事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額)
- 総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の2分の1の金額
(注1) 退職所得金額は、確定申告が不要な場合でも計算に当たって加算する必要があります。
(注2) 申告分離課税の所得がある場合には、それらの所得金額(長(短)期譲渡所得については特別控除前の金額)の合計額を加算した金額です。
基礎控除申告書や配偶者控除申告書には給与所得以外の金額を記載する欄がありますので、こちらを用いて合計所得金額を算出することとなりますが、時期的に概算金額となるものもあるため、確定申告にて最終決定が行われることとなります。
給与所得等
扶養控除等申告書の裏面、勤労学生の説明欄に記載のある言葉です。
自分の勤労に基づいて得た所得とされており、
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 雑所得
の4つが挙げられています。
つまり、勤労学生の要件判定としては、給与所得や合計所得ではなく、給与所得等の合計額を用いる必要があります。
住民税における所得金額
令和5年の扶養控除等申告書から住民税に関する事項欄が設けられましたが、この欄で扱われる所得金額は退職所得を除いた金額となります。(申告書上でも注釈が記載されています)
給与等の収入金額
所得金額ではありませんが、年末調整時の所得金額調整控除の判定要件として用いられています。
前述の給与所得等とは違い、給与所得の元となる給与や賞与等を指す言葉となります。