配偶者控除は廃止されるのか?
まずは結論から。
2024年8月現在、廃止は決定されていません。
ただし、廃止に向けた検討は着々と進んでいます。
税制調査会での言及内容
こちらのページに2024年度の税制調査会 議事録が掲載されています。
第3回、6月4日分の議事録PDFを「配偶者控除」で検索しますと、会議内で言及されている内容が分かります。
以下、議事録の一部抜粋です。
例えば労働市場の流動化や高齢者の働き方の変化などを踏まえた年金や退職金に係る課税の在り方や、配偶者控除をはじめとする所得税の各種控除について客観的な数字やエビデンスを丁寧に示しながら、より人々の選択に中立的な税制としていくべきといった御意見
税制の存在自体が人々の意識にも影響し、結果的に中立でない面も踏まえると、ライフコースや働き方に中立な税制の構築という観点において、本日の資料には記載が無い配偶者控除についても論点の一つになり得ると思います。
前回の議論後、ネットの記事やSNS等でいくらを超えると損するや、配偶者控除を見直ししていくのはどうなのかと様々な御意見があったと思うのですが、やはり心理的な壁が未だにあると思いました。思い込みに近いことだと思いますので、こちらに関しては早急に手をつけていく必要があるというように思います。
配偶者控除に限らず、これまでの制度がこれからの様々な選択をする人など世代の妨げにはなってはならないというように思いますので、若い世代の状況も踏まえてぜひ議論していただけたらと思います。
前回、今回の会議において、配偶者控除をはじめとする基礎的な控除も含め、経済社会の変化を踏まえた見直しを行うべきという御意見をいただきました。私としても、個人所得課税については全体を俯瞰した分析・検証を行いつつ、基礎的な控除を含めた見直しを議論していくことが必要であると考えております。
前回、今回の総会で多くの御意見をいただきました配偶者控除については、私もその在り方をどう考えていくかは働き方に中立的な税制を構築していく上で非常に重要なピースであり、その他の控除制度とも合わせてエビデンスを持って丁寧に議論していくべきものであると考えております。
議事の内容から、見直しという言葉は使われているものの、検討の方向性は廃止なのかな?という流れが見え隠れします。
配偶者控除をはじめとする基礎的な控除の廃止や見直しは、非常に大きな影響を及ぼすものとなりますので定期的にウォッチして記事にしていきます。
こちらのYahoo!ニュースでも詳しく取り上げられています。
【配偶者控除の見直し】控除廃止でほぼ増税?「103万の壁」撤廃でパート主婦に訪れる新たな変化とは