定額減税はふるさと納税の控除上限額に影響するのでしょうか?
まず結論から申し上げますと、ほぼほぼ影響はありませんが、ある一定の要件を満たす方の場合、今年ではなく来年、令和7年に影響が出ることになります。
ふるさと納税の控除上限額の計算方法
寄附金(ふるさと納税)の上限額を「X」とすると
(X-2,000円)×(90%-所得税の税率×1.021)=住民税所得割額×20%
という計算式となり、ここから上限額「X」を求める式に直すことで、上限額を求める計算式となります。
X=住民税所得割額×20%÷(90%-所得税の税率×1.021)+2,000円
上記の式の中にある「住民税所得割額」というのが、令和6年度のみ特別措置として定額減税後の金額を使用することになっています。
総務省:地方交付税法等の一部を改正する法律(令和6年法律第4号)
⑵都道府県又は市区町村に対する寄附金に係る寄附金税額控除における特例控除額の控除限度額及び公的年金等に係る所得に係る仮特別徴収税額の算定の基礎となる令和六年度分の所得割の額について、特別税額控除前の所得割の額とすること。
ですので、令和6年度においては定額減税の控除額がいくらであっても、ふるさと納税の控除上限額には影響はありません。
令和7年度にふるさと納税で影響をうける条件
では令和7年度の定額減税により、ふるさと納税に影響を受ける方の条件はどのようなものなのでしょうか。
実は下記の条件に当てはまる場合は令和7年度に住民税に対して特別減税が適用されます。
- 定額減税対象者本人の所得が1000万以上
- 配偶者の所得が48万円以下
所謂、同一生計配偶者です。同一生計配偶者は年末調整における配偶者控除等申告書に書く必要はありませんので、令和5年度の年末調整では書かれていないケースが大半であり、令和6年度の住民税に対する定額減税では適用されておらず、情報把握後の令和7年度に持ち越されるようなイメージになります。
この場合、住民税に対して1万円の定額減税が適用されますが、前述の「住民税所得割額」に対する特別措置は令和6年度限定で、令和7年度については記載はありません。
つまり(現時点では)、同一生計配偶者を扶養するケースでは、令和7年度のふるさと納税の控除上限額を算出する際に使用する「住民税所得割額」は定額減税(1万円)を控除した後の金額が使用されることになります。